更年期になると、心や体の変化に加えて「お口の中」にもさまざまなトラブルが起こりやすくなります。歯ぐき(歯茎)の腫れや下がり、歯が浮くような感覚、ドライマウス(口の乾き)、口臭などは、ホルモンの変化や唾液量の低下によって起こることが多いです。
神戸市北区・八多町のきずな歯科クリニックでは、女性特有の変化に寄り添った治療とケアを行っています。
更年期に起こるお口の変化を知る
「歯ぐきが下がる」「口が乾く」などの違和感はなぜ起こるのか
更年期にはエストロゲンが下がり、歯ぐきの血流や炎症コントロールが乱れ、歯周病が進みやすくなります。歯を支える骨(歯槽骨)も影響を受け、歯が長く見える・浮くように感じる変化につながります。一方、唾液腺の働きも落ちやすく、唾液量と唾液の質(pHなど)が低下。結果として乾き、粘つき、むし歯や口臭の増加が起きやすくなります。症状は重なることが多く、「年齢のせい」と決めつけずに原因を見極めることが大切です。
エストロゲンとは、女性ホルモンの一種で、主に卵巣から分泌されるホルモンです。
女性の体の働きを整える大切な役割をもち、骨や血管、肌、そしてお口の中にも影響を与えます。
| 違和感 | 原因 | 対処法 |
| 歯ぐきが下がる・出血する | エストロゲン低下・血流悪化 | 歯科での定期検診・ブラッシング指導 |
| 口の乾き・ねばつき | 唾液腺の働き低下 | 水分補給・唾液腺マッサージ |
| 歯が浮く感じ | 骨量減少・歯周組織の弱化 | 歯周検査・歯石除去・生活習慣改善 |
女性ホルモンの変化と歯ぐきの健康との関係
エストロゲンは歯ぐきの健康を守る役割を果たしています。このホルモンが減ると、歯ぐきの血流や免疫機能が低下し、炎症が起こりやすくなります。さらに、歯を支える骨の密度も下がるため、歯が動きやすくなるのです。閉経後の女性では歯周病の進行が早まる傾向があり、骨粗しょう症が重なると顎骨の吸収が進みやすく、歯が浮く感じや動揺につながることが示されています。
▼ドライマウスについて詳しく解説している記事はこちらから!
歯ぐきや口の中に起こる具体的な変化

歯ぐきの腫れや下がりが目立つ理由
更年期になると女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌が減少し、歯ぐき(歯茎)やその周辺組織に対する影響が出やすくなります。たとえば、エストロゲン受容体が口腔内の粘膜や唾液腺に存在するため、ホルモンの低下が直接的に影響するという報告があります。
唾液の減少とドライマウスの関係
更年期世代で特に多い口の悩みとして「口が乾く」「唾液が少ない」「ねばつきがある」という症状があります。実際、文献では「更年期~閉経後女性では唾液流量・pHの低下が報告されており、ドライマウス(xerostomia)が頻度高く起きる」ことが示されています。
唾液は、口内の細菌を洗い流し、虫歯や歯周病を防ぐ働きを持ちます。更年期では唾液腺の働きが低下するため、乾燥・ねばつき・味覚の変化などが起こります。水分をこまめにとり、ガムや酸味食品で唾液分泌を促しましょう。
歯が浮くように感じるときの注意点
歯が浮くような感覚は、歯を支える骨(歯槽骨)の吸収が進んでいる可能性があります。放置すると歯の動揺が進み、噛みにくくなるほか、最悪の場合は抜歯が必要になります。「噛むと違和感がある」「歯がぐらぐらする」と感じたら、早めに歯科検査を受けましょう。
放っておくとどうなる?早めの対処が大切な理由
歯周病の進行と全身の健康への影響
更年期以降、女性ホルモンの低下によって歯ぐきの免疫力が下がると、歯周病が進みやすくなります。歯周病菌は歯の根元や歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)に入り込み、炎症を引き起こします。この炎症が長く続くと、歯を支える骨(歯槽骨)が少しずつ溶けていき、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。
近年では、歯周病は口の中だけでなく全身の病気と深く関係することが報告されています。歯周病菌が血流を通じて全身に回ることで、動脈硬化・糖尿病・心筋梗塞・脳梗塞などのリスクを高める可能性があるとされています。
口の乾きが食事や会話に及ぼす影響
- 食べ物が口に張りつき、飲み込みにくい
- 味を感じにくくなる(味覚障害)
- 舌や粘膜がヒリヒリ痛む
- 口臭が強くなる
- 入れ歯がこすれて痛みやすい
唾液が少ないと、食事の味を感じにくくなったり、会話中に舌が動きにくくなります。唾液は“天然のうがい薬”とも言われ、口の中を常に清潔に保っています。唾液を守るには、こまめな水分補給や、キシリトールガム・唾液腺マッサージ・就寝時の保湿ジェルの活用などが効果的です。神戸市北区のきずな歯科でも、こうしたホームケアの指導を取り入れています。
自覚症状が軽いうちに受診するメリット
痛みや出血が少ない初期段階で歯科を受診すれば、治療が短期間で済みます。早めに受診することで、歯ぐきの状態を把握し、今後の悪化を防ぐことができます。神戸市北区・八多町のきずな歯科では、歯周病検査・唾液検査などを組み合わせ、最適なケア方法を提案しています。
自宅でできる簡単マッサージや舌の動かし方

唾液腺を刺激したり、口周りの筋肉を柔らかくすることで、ドライマウスや口臭を防ぐことができます。特別な道具は不要で、テレビを見ながらでもできます。
1. 頬のマッサージ(耳下腺刺激)
耳たぶの前に指を置き、軽く円を描くように10回まわす
口を閉じて行い、リラックスして深呼吸
2. あごの下マッサージ(顎下腺刺激)
あごの下のくぼみを両手の親指で押しながら前方へ5回スライド
唾液が出やすくなる
3. 舌のストレッチ
舌を上・下・右・左にゆっくり動かす
1日2セットが目安
まとめ
更年期は、心と体、そしてお口の健康を見直す大切な時期です。
歯ぐきが下がる、歯が浮く、口が乾く…そんな小さなサインも、放置せずに向き合うことが大切です。神戸市北区・八多町のきずな歯科(グリーンガーデンモール北神戸内)では、女性特有の口の変化に合わせた丁寧なケアを行っています。今のうちにケアを始めることで、これから先も自分の歯で食事を楽しめる毎日を一緒に守っていきましょう。気になることがあれば、ぜひ一度きずな歯科へお問い合わせください。
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