「乳歯はどうせ抜けるから、虫歯になっても大丈夫でしょ?」
そんなふうに思っていませんか? 実は、乳歯の虫歯はそのままにしておくと、永久歯の質や歯並び、生え変わりの時期、さらには将来の虫歯リスクにまで影響を及ぼす可能性があるのです。
乳歯の虫歯を放置するとどうなるのか
自然に抜けるから大丈夫?という誤解
「乳歯はそのうち抜けるから」と虫歯を軽視して放置してしまうと、永久歯の正常な発育に悪影響を及ぼす可能性があります。乳歯は永久歯が正しい位置に生えるためのガイドのような役割を持っており、虫歯で早期に失われると、そのスペースがなくなり、歯並びに支障をきたします。
乳歯は永久歯よりもエナメル質が薄く、虫歯の進行が早いことも特徴です。

虫歯菌が周囲の組織や他の歯にも広がるリスク
乳歯の虫歯が進行すると、虫歯菌が根の先から周囲の組織や骨に感染し、膿がたまる「歯根のう胞」や「歯肉膿瘍」を引き起こすこともあります。さらに、その炎症が下に控えている永久歯の芽(歯胚)にまで達することで、永久歯の質や色に影響を及ぼすことがあります。
痛み・腫れ・発熱などの全身症状に発展することも
虫歯が神経に達すると、激しい痛みや腫れ、発熱などを伴うことがあります。乳歯の根の先に膿がたまると、顔が腫れる・口が開けられないなどの症状が出る場合もあり、全身的な健康状態にも悪影響を及ぼします。
放置が習慣化すると、将来の歯科治療嫌いにもつながる
痛みを我慢しながら放置された虫歯を治療するとなると、子どもにとって大きなストレスです。治療がトラウマになり、「歯医者嫌い」になってしまう子も少なくありません。この経験がもとで、大人になっても歯科受診を避けるようになるケースもあります。
永久歯への具体的な悪影響とは?
永久歯の質が悪くなる(石灰化不全・形成不全など)
乳歯の虫歯による炎症が永久歯に影響すると、エナメル質形成不全(石灰化不全)が起こることがあります。これは虫歯にもなりやすく、審美的な問題にもつながります。
エナメル質形成不全(石灰化不全)とは?
歯の表面は「エナメル質」という硬い層で守られています。
しかし、永久歯がつくられている途中に何らかの影響を受けると、エナメル質が十分に作られず、白く濁ったり、黄色や茶色っぽく見えたり、表面がでこぼこしたりする状態のこと。
歯並びに悪影響を及ぼす(萌出位置のズレ・叢生)
虫歯で乳歯を早く失うと、隣の歯が動いて空間を埋めてしまい、永久歯が正しい位置に生えてこられなくなることがあります。結果的に歯並びが悪くなり、将来的に矯正治療が必要になるケースも増加します。
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生え変わり時期の遅れや早まりのリスク
乳歯の虫歯が重度になると、自然な生え変わりの時期がズレる原因になります。早すぎる抜歯や、虫歯による脱落で永久歯の準備が整っていない段階で乳歯を失うと、噛み合わせや発音にも影響します。
将来的な虫歯・歯周病リスクの増加
虫歯の多い口内環境では、永久歯も同様に虫歯や歯周病のリスクが高くなります。また、歯並びが悪いことで歯ブラシが届きにくくなり、磨き残しが増えて虫歯の温床になってしまうことも。
乳歯の虫歯を防ぐためにできる日常ケア

毎日の仕上げ磨きの重要性と年齢別ポイント
乳歯の虫歯予防に欠かせないのが仕上げ磨きです。仕上げ磨きは小学4〜5年生頃まで続けるのが理想です。お子さまが自分で磨けるようになっても、親御さんが確認・補助することで磨き残しを減らすことができます。
おやつや食事習慣を見直そう(頻度・タイミング)
糖分の多いおやつをダラダラ食べると、虫歯リスクが高まります。「時間を決めて食べる」「おやつの回数を1日2回以内にする」など、おやつの内容とタイミングの見直しが効果的です。
フッ素塗布やシーラントなどの予防処置
歯科医院で受けられるフッ素塗布やシーラント処置も、虫歯予防に非常に有効です。定期的にフッ素を塗ることで歯の再石灰化を促し、シーラントで奥歯の溝を物理的にガードします。
家庭でできる虫歯リスクチェック法
お子さまの口の中を毎日観察する習慣をつけることで、虫歯の早期発見につながります。「歯の色が濁っていないか」「痛がっていないか」「歯ぐきが赤くなっていないか」など、日常的な変化に気を配ることが大切です。
歯医者に行くタイミングと治療の流れ
虫歯かどうかを判断するチェックポイント
▼以下のような症状が見られたら、すぐに歯科受診を検討しましょう
- 強い口臭がある
- 歯の表面が白く濁っている(初期虫歯の可能性)
- 食べ物を噛むときに痛がる
- 歯ぐきが赤く腫れている
歯医者での診察・治療内容と所要時間の目安
診察では視診・レントゲン・歯垢チェックが行われます。軽度の虫歯であれば、10〜20分程度の処置で終了することもあります。重度の場合でも、なるべく子どもの負担を減らすような配慮がなされます。
小児歯科の定期健診を活用しよう
虫歯の早期発見、歯並びのチェック、仕上げ磨きの指導など、定期健診には多くのメリットがあります。3〜6か月ごとを目安に、継続的に通うことで予防意識も高まります。
まとめ
「乳歯はどうせ抜けるから大丈夫」…そんなふうに思っていませんでしたか?
実は、乳歯の虫歯を放置することで、永久歯の質や歯並び、さらには生え変わりのタイミングにまで深刻な影響が出ることがあります。虫歯の進行は早く、子どもは自分で症状を訴えにくいため、親の気づきと早めのケアがとても大切です。
きずな歯科では、お子さまの歯を将来まで健やかに保つためのサポートを全力で行っています。痛みが少なく、怖くない診療を心がけ、親御さんへのケアアドバイスも丁寧にご説明いたします。「もしかして虫歯かも…」「そろそろ健診に行っておきたいな」と思った今がチャンスです。
お気軽に、きずな歯科へご相談ください!お子さまの笑顔と健康な未来を、一緒に守っていきましょう。




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